近年FinTech・HRTechなど、ITテクノロジーを活用して既存の業界に新しい価値を提供していくX-Techの流れが日本でも盛んになり、とりわけ保守的な法律業界もこの潮流とは無縁ではなく、新しくLegalTechとして認知されつつあります。
また、アメリカのLegalTech市場は現在160億ドル規模ともいわれており、世界中で盛んに買収や投資が行われている業界でもあります。
そこで、今回は現在日本ではどのようなリーガルテックサービスが提供されているのかを簡単にまとめてみました。
弁護士検索
リーガルテック業界のリーディングカンパニーの弁護士ドットコムが提供しているサービスが非常に有名です。
2005年に創業し、2014年に東証マザーズに上場しています。
提供サービス
・弁護士検索のプラットフォーム
提供する企業・サービス名
弁護士ドットコムなど
電子証拠開示・デジタルフォレンジック
伝統的なリーガルテック分野で大手企業がサービスを提供しています。
提供サービス
・海外進出企業の訴訟案件増加に伴って需要が増えてきているe-Discovery対策サービス
・主に警察や検察の捜査などで用いられるデジタルデータの復元サービス
提供する企業・サービス名
契約書の作成・締結・管理・レビュー
現在日本のリーガルテック業界で盛り上がっている分野の一つです。
AIや機械学習などの技術と親和性が高いので、技術の発展とともにどんどん洗練されていく分野です。
提供サービス
・オンライン上で完結できる電子契約サービス
・契約書などの法務関連書類のクラウド管理サービス
・契約書などの法務関連書類の作成・管理プロセスの自動化サービス
・契約書などの法務関連書類のレビューサービス
提供する企業・サービス名
CLOUDSIGN、hubble、ContractExpress、AI-CON、Holmes、LegalForceなど
労務/HR
経理・会計の分野と並んで日本では成熟しつつあるマーケットの一つです。
非常に便利なサービスが展開されているので、利用者も多い分野です。
提供サービス
・社会保険に関する書類の自動作成・電子申請提供サービス
・労務管理プラットフォームサービス
・バックオフィス管理サービス
・専門家に対するオンライン相談サービス
・残業時間に関する証拠保全サービス
提供する企業・サービス名
SmartHR、jinjer、Bizer、Gozal、残業証拠レコーダー(スマートフォンアプリ)など
法人登記・不動産登記
企業経営や不動産業とは切っても切り離せない身近な分野のリーガルサービスです。
今年になってサービス提供する事業者が出てきました。
提供サービス
・本店移転登記など法人登記申請に必要な書類の自動作成サービス
・不動産登記の専門家の紹介サービス
・ブロックチェーン登記サービス
提供する企業・サービス名
商標出願支援・管理
最近世界的にも徐々に注目されている分野です。
こちらも契約分野と並んでAIや機械学習と親和性の高い分野なので、これから伸びる業界と考えられます。
提供サービス
・オンライン商標出願支援サービス
・指定商品・役務管理サービス
提供する企業・サービス名
Cotobox、Toreru、Goods Idea(スマートフォンアプリ)など
集団訴訟支援
集団訴訟を提起したい被害者と弁護士とのマッチングサービスです。
比較的泣き寝入りの多い消費者事件などで活用が期待できる分野です。
提供サービス
・集団訴訟のための弁護士マッチングサービス
提供する企業・サービス名
enjinなど
ビザ取得・管理
外国人の雇用が増える中で注目されるサービスです。
複雑なビザ申請や社員管理を行ってくれます。
提供サービス
・オンラインビザ申請支援サービス
・外国人社員のビザ管理サービス
提供する企業・サービス名
one visaなど
チャット法律相談
スマートフォンアプリで弁護士に相談できるサービスです。
アメリカではメジャーなサービスの一つですが、日本ではまだまだ少数です。
提供サービス
・スマートフォンアプリによる法律相談
提供する企業・サービス名
弁護士トークなど
法令ビジュアライゼーション
最近注目されているデータビジュアライゼーションの技術を法令に応用
法令同士のつながりや関係を視覚化するサービスです。
提供サービス
・情報工学を用いた法令ビジュアライゼーション
提供する企業・サービス名
可視化法学など