リーガルテックが解決する課題

 最近になって日本でも徐々に浸透しつつあるリーガルテックですが、海外では、たくさんのリーガルテック企業が存在しています。
 またリーガルテック企業と一口にいっても、様々な事業領域がありそれぞれ解決しようとする課題は異なります。
 そこで、リーガルテックが解決しようとする課題とその領域、サービス提供企業について簡単にまとめました。

リーガルサービスへのアクセス方法の多様化

 現在、日本全体の弁護士の数は約4万人で、司法制度改革の影響により年々増加しています。その一方で弁護士人口には地域的な偏りがあり、リーガルサービスへのアクセスが困難な地域も存在しています。

 また、気軽に弁護士などの専門家に相談できなかったり、どのようにすれば適切な専門家の支援を受けられるのかがわからないといった悩みを持つ人も多いと考えられます。

 そこで、最近では日本でもオンライン上で法律に関する質問を専門家に投げかけたり、直接専門家を検索したりマッチングできるリーガルマーケットプレイスが浸透してきています。

 さらに海外では、Uberなどのライドシェアリングサービスのビジネスモデルを応用したリーガルサービスがリリースされるなど、洗練されたユーザーエクスペリエンスを提供する企業が増えてきています。

この領域のサービスを提供する海外の企業

 主要な企業としては、Avvoの提供するサービスが有名で2006年にサービスを開始し、現在までに1.3億ドル以上の収益をあげています。
 
 

エンドユーザーサポート

 大企業だけではなく、個人や中小規模の法人も法律に関する課題を抱えています。

 離婚、相続、登記、ビザ、雇用、行政手続、税務申告、ビジネス文書作成、著作権登録、商標出願などの問題は個人や中小規模法人にも発生しうる課題です。

 このような問題に対処するためには、個人であってもその分野の専門家に依頼するのが通常ですが、費用や時間面で躊躇してしまうケースも多いと考えられます。

 それゆえに、手続の重要性に気づかないまま問題が顕在化するまで放置されてしまう危険性は非常に高いといえます。

 そこで、エンドユーザー自身が行う手続をオンライン上で支援するDIY法務プラットフォームも徐々に浸透してきています。

 また、専門家のマッチングサービスなどと組み合わせることで、自己で対処できない問題については専門家が介入できるようにすることで、早期に適切に問題を解決することができます。

この領域のサービスを提供する海外の企業

 主要な企業としては、LegalZoomが提供するサービスが有名で、2001年にサービスを開始し、現在までに2億ドル以上の収益を上げています。
 

データ収集の効率化

 弁護士は契約書など膨大な量のテキストデータを扱う仕事でもあります。もちろん今まではその契約書の中身を理解するためには、弁護士が自分の目で見て確認するほかありませんでした。

 しかし近年では、機械学習による自然言語処理の技術が発達し、膨大な量のテキストデータからすぐに有用な情報を抽出できるようになり、効率的な情報収集・文書処理が可能になりました。 

 これにより、真に知的な作業を行う時間を増やすことができ、弁護士の質の劇的な向上が期待されています。

 特に証拠開示手続が発達しているアメリカでは、先進的なサービスが多く展開しています。

この領域のサービスを提供する海外の企業

 主要な企業としては、RelativityEverlawが提供しているサービスが有名です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)による法律事務所運営の効率化

 ビジネスの分野では、業務をデジタル化することで適切な管理体制を構築したり、業務を効率化するのみならず、ビジネスモデルやサービスそのものを刷新し、新しい価値を生み出すDXによる変革が重要視されるようになって久しいですが、この課題にしっかりと取り組めている法律事務所はまだまだ少数だといえます。

 そこで、DX化の足がかりとして、ケース管理やプロジェクト管理をオンライン上で効率的に行うサービス(Legal Project Management(LPM))や、同じく文書管理をオンライン上で行う(Document Management Systems(DMS))を導入する法律事務所が増えています。

 プロジェクトマネジメントを適切に行うことにより、精緻に定量的なコスト管理、リスク管理、タスク管理、進捗管理が行えるようになり、業務が効率化されるのみならず、不透明になりがちな弁護士報酬の根拠や進捗状況を可視化することでクライアントのCS改善等にも繋がることが期待されています。

 また、LPMの手法は標準化しており、9カ国の法律実務家らによって発表されたリーガルプロジェクトマネジメントコンピテンシーフレームワーク(Legal Project Management Competency Framework (LPMCF))などがグローバルスタンダードになりつつあります。

 このほかにも契約の交渉・締結・管理・執行など契約のライフサイクルを効果的にサポートする契約管理サービスも数多く展開しています。
 SaaSなどのクラウドサービスの発展に伴いLPMやDMS、契約管理サービスを提供する企業は急成長しており、海外ではたくさんの企業がサービス提供しています。

この領域のサービスを提供する海外の企業

 主要な企業としては、AbacusLawClioiManageDetermineConcordといった企業をあげることができます。

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